小江戸川越 のれん会
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社 長 関口絋三郎さん
 
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こだわり事典 「老舗・名店」本物一筋
本物一筋 ●佐久間 ●関口人形 ●桔梗屋 ●幸すし
住人十色 ●粕谷さん ●大野さん
押絵羽子板 関口人形
―関口人形さんの歴史、プロフィールからお聞きします。
  私どもの本家は、雛人形の有力産地である鴻巣市で370年程前の江戸時代からつづく雛人形の専門店です。 そこから私の父が昭和12年に独立しました。歴史ある城下町で職人さんが大勢いる川越で、羽子板の製造・販売を始めたのです。  商売が軌道にのった昭和26年に現在地へ進出しています。私は3年半程サラリーマン生活を経験してから家業に入りました。

―関口さんの押絵羽子板は人形業界を代表する逸品と言われて高い評価を得ていますね。
 おかげさまで創業以来、広く信頼されて、安定した注文をいただいています。同業者が減少していることもありますが、需要に供給が追いつかない状況です。業界の展示会において、内閣総理大臣賞をはじめ、いろいろな賞をいただいています。そんなご縁で、アメリカ大統領であったブッシュさんやレーガンさん、ソ連時代のゴルバチョフさんなどが来日した時の土産品の中に、私どもで製造した押絵羽子板が入っています。

―押絵羽子板について説明してください。
 
そもそもは古来からの節句人形の一部として成立しています。正月に女の子は羽子板、男の子は破魔弓を母方の実家からお祝いとして贈り、飾ったのです。同じように3月は女の子の雛人形があり、5月には男の子の鎧、兜飾りや鯉幟りの節句祝いがありますね。押絵羽子板のルーツは、宮中の新春の儀式の一つである左義長です。その様子を羽子板の裏に描き、年の暮に将軍家から宮中への贈り物にしたのです。その当時の羽子板は、表面に大和絵風に貴人を極彩色で描いたもので、実に美麗な装飾品でした。その後になって、平面な絵から立体的な押絵に発展したのですが、時代について明確な裏付けはないようです。 およそ200年程前には、松竹梅の紋様とか福の神とかを貼っていたようです。それが娘姿となり、歌舞伎役者の舞台姿を作るようになって急速に人気が出たわけですね。
11月から5月までは、押絵羽子板をはじめ破魔弓、雛人形、5月人形など季節に応じた伝統商品の売場をオープン。海外旅行の土産品にする固定客も多い。 「製造・直売なので良い品が安い」と評判だ。

昔ながらの伝統を守り、約60工程におよぶ
製造はすべて手作り。
―押絵の絵にも、時代とともに流行があるわけですね。
  そうです。昔は歌舞伎役者の似顔絵などキッチリした顔立ちが主流でした。その後、女流画家の上村松園さんの描く美しい女性の顔に題材をとった面相が人気を集めました。現在は単なる美人ではなく可愛らしい面相が若い人に好まれて主流ですね。 衣裳の方でも、以前は羽子板の型の中に納まっていたのですが、このごろでは型にはまらずに、はみ出したものが好評です。それも華やかな振袖スタイルが人気の中心となっています。最近では、お客様が持込んでくる素材でのオリジナルの注文も多いですよ。 たとえば、母親が愛用していた着物や帯などを使って衣裳を作ったりするのです。ブラウスなどの洋服地とか、川越唐桟を使って作ることもありますね。 どんなものからでも出来ると思いますので、オリジナルについてはご相談ねがいます。
―商いで、とくにこだわっていることは何ですか。
 節句人形や押絵羽子板に表現された人形は、古来よりさまざまな年中行事、風習の中で、長い年月をかけて美しく育ってきたものです。お子さんの健やかな成長を願って皆でお祝いをするという、なんとも美しく、素晴らしい日本の伝統をしっかりと守り、後世に伝える義務があると強く感じています。それだけに、お客様が本当に満足される製品づくりを第一として、常に本物にこだわった商いに取り組んでいます。

伝統工芸師である関口さんの趣味はスポーツ。最近ハマっているのが自転車。 休日には70km以上のツーリングも。  →
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